13 9月 2022

コロナ禍の産前休暇と妊娠手当/産休給付金(Graviditetspenning)。

妊娠7ヶ月に入った私。お腹がどんどん大きくなって(と言うか初めから結構大きかった)、ズボンや靴下を履くのもちょっとずつ苦労するようになりました。

今日はスウェーデンの産休(産前休暇)事情について。
そう、まだ7ヶ月だけどとっくに産休入りしているんですヨ。

なんせ初めての体験なので、日本の事情はまったく知らないし、おそらく労働条件や職場によってスウェーデンも産休事情は大きく変わってくると思うので、「私自身」に関して調べたこと、体験について書いてみたいと思います。



公立歯科医院で正社員(tillsvidare)としてフルタイムで働く私の場合 ※コロナ禍の場合



私はフルタイム(週40時間)契約で、小さな公立歯科医院で働いて3年目。公立なので雇い主は、Regionen(県)になります。

私が理解している限り、私の職場では、産前休暇は出産予定日の60日前から取得できる権利があるみたい。でも、これにも個人差があって、周囲の話をきくと、産休を取らずにギリギリまで働いていた人だったり、上の子の育休やセメスターの日を使って早めに産休に入った人や、妊娠後期はずっと病欠で働けなかった人だったりと色々。

「産休を取得できる権利」と書いたけど、=「働けない間に手当(お金)をもらう権利」っていうことですよね?手当はいらないから、収入源なしでもいいから休ませてくれ!って言ったらどうなるんだろ。

上記した予定日60日前から支給される産休手当は、両親共に480日分後々もらえる育休手当を前借りする形になるから、なるべく使いたくない!って人も多いと思います。

上の子の育休を利用するなら、上の子分の育休手当利用だし、それに、重い悪阻や腰痛等々の理由で働けなかったら、医者の診断書があれば、Sjukpenning(傷病手当)を受け取りながら自宅で安静にできます。(手厚いよねぇ。え、当たり前の権利なのかな。)

それらとは別に、肉体的にきつい仕事をしていたり、労働環境上避けられないリスクがある場合には特例があり、Graviditetspenningという妊娠手当がおりることがあります。

私がまさにそうで、妊娠20週に入った時から、このGraviditetspenningを受け取る形で産休に入りました。

普段なら、歯科衛生士は肉体的にきつい仕事でも労働環境にリスクがあるとカテゴライズされる職ではないけど、今はコロナでこういう措置が取られてるのかな。

職務上、多くの患者と密に接するので、マスクやフェイスシールドをつけていくら感染予防対策をしてもコロナ感染のリスクはあります。そして妊婦がコロナに感染すると、早産のリスクが高くなるという事例があります。

(でもかなり微妙なところで、早産のリスクに関する明確なエビデンスってもうあるんですかね?)

春先ごろまではこの措置は「強制」でした。つまり、本人が働きたくても働いてはいけない、雇用主が労働を禁止する、、、ってことで、去年妊娠した2人の同僚は、いきなり妊娠20週目から仕事に来られなくなりました。

今は強制ではなくなって、「本人と雇用主(院長)」次第になりました。もし私が働きたかったら、もちろん20週を超えてからでも好きなだけ働き続けることができたけど、初めての妊娠だし、年齢も年齢だし、コロナもまだまだ増えてきているし、、、ということで、休むことを選んだ私…

これも色々揉めたんですよ。

私の同僚が、私の3ヶ月前に妊娠して、その時はすでにこの措置が強制ではなくなってて、同僚と院長の話し合い&リスクアセスメント(コロナ関係なく、妊娠したら職場のリスクを評価する面談)で、彼女は週20週から産休に入りました。

でも私が妊娠したことを院長に話した時、彼女はとっっっても喜んでくれたけど、同時に「県のコロナ措置がアップデートされて、もう20週から産休は取れなくなったよ」みたいなことを言われたんです。

「マジかぁ…まぁでもコロナも落ち着いてきてるし(当時は春頃)、しょうがないか。」

とも思ったんですが、FolkhälsomyndighetやArbetmiljöverket、県のコロナ措置の更新内容をいくら読んでも、未だに「妊婦へのリスク有り」、「本人と雇用者による判断」。つまり、院長次第で私が20週で産休を取れるか取れないかが決まって、それは3ヶ月前に妊娠した同僚と条件は同じでした。

そのことを院長に指摘しても、コロナのリスクはもうないし、県の人事部とそう決めたっていうんだけど、そんな情報はどこにも書かれてないし、その20週措置はいつの間に終わったの?その情報を従業員に通知せずに上が勝手に決めたの?と、院長と人事への不信感が高まりました。

なんで同僚はよくて、私はダメなの?たった3ヶ月の違いなのに?
その判断の違いはどこに書いてあるの??
私のリスクは軽んじられているの??
まだちゃんとしたリスクアセスメント面談もしてないのに??
けっきょくは、人手不足だから働けってこと??

極め付けは、院長いわく、その20週措置はなくなったはずなのに、すでにリスク回避のために産休に入ってる同僚は、そのまま産休を続けられるって。県のHPには「コロナ措置の変更が行われた場合は、通常勤務に戻ること」って書かれているのに?


その頃は妊娠初期で、体調もすこぶる悪く(いや、かなり悪く)、ホルモンバランスも最悪に崩れてたんでしょうね。1週間ぐらいモヤモヤしてたらとうとう寝れなくなってきて、これはいかんと思って再度院長とコーディネーターと話し合い兼リスクアセスメント面談を行ったけど、そこでも平行線。納得する返事&説明をもらえなかったし、私もけっこう感情的になってしまいました。(職場で号泣)

で、ここから悪阻のため病欠。(おそらくこのストレスで一気に悪化したのかも)

私は別にどうしても働きたくなかったわけではなく、明確な措置変更がないのに、院長はどうして私と同僚に別々の対応をするのか説明してほしかっただけです。

最初からちゃんとしたリスクアセスメント面談を設けてくれて、「コロナ措置はこう書いてあるけど、職場での感染リスクは減った。こうやってリスクを回避して働いていきましょう」って話し合いからの決定だったら納得できたかもしれないけど、明確な説明なく頭越しに「残念!ダメ!働け!」って言われた気がして、かなり反抗しました。

それでも病欠のおかげで、ゆっくり休めたし、悪阻も精神状態も落ち着いて、この出来事も「ま、仕方ないか。できる限り感染に気をつけてしっかり働こう」と思いなおして仕事復帰したら、院長に呼ばれて、

「ごめんなさい。私が早とちりしてて、まだその妊婦への20週措置は適用されてて、あなたがコロナ感染が心配なら、もちろん20週から産休とっていいよ。あなたとエマ(同僚)をOrättvis behandla(不平等な対応?)するつもりは全然ないから。」

って。(゚Д゚)

そんな数週間でなにが変わったの。

「あ、じゃぁ…」

と、すったもんだの結果、無事?産休に入ることになりました。なんだそりゃ。


妊娠手当(Graviditetspenning)


そうと決まったら、妊娠手当の申請。それ自体は、院長から社会庁(FK)に書類が送られて、私はそれに追加情報をネットで記入して、妊娠証明書をFKに郵送。

そしたらすぐ認定がおりました。超簡単!

妊娠手当は、だいたい給料の80%弱。でも上限は770kr/日って決まっているので、フルタイムで働いてたなら収入はそこそこ減ります。(これもあって、私よりだいぶ高給取りで去年妊娠した歯科医の同僚は、収入がかなり減るから産休入りしたくないって言ってたのかな)でも、自分と胎児をリスクにさらすこともなく、家でゆっくりできるのに手当もらってありがたい限りです。

我が家も経済的には若干厳しくなるけど、やっていけないことはないし、パトも私が公共交通機関で通勤して、患者と密に接するのにリスクを感じていたし、パトと社会にあまえて今は家でゆっくりしています。

そろそろ、次の段階、育休制度(Föräldraledig)や、育休手当(Föräldrapenning)についてもどうするか調べないとなぁ。

残り4ヶ月の産休、有意義な時間にしたいです。




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