日本でいうセンター試験のようなもの、と説明したいけれど全くの別物です。
どちらかというと、就職試験の際にうけるSPI試験のようなものです。(SPIを受けたことがないけど)
私はもう今回は受けませんが、去年に2回ほど受けてみました。
なぜなら、私が大学のプログラムに進学するためには、この試験を受けるしか道がないからです。
○進学適性試験(Högskoleprovet)とは?
この試験は、春と秋に2回行われ、試験料は450kr。
今のところ受験資格に年齢制限はありません。また何度でも受けることができ、取得ポイントは受験日から5年間有効です。
試験内容は、言語的科目(verbala delen)が55分×2回、数量的科目(kvantitativa delen)が55分×2回。これら計4回に加えて、ダミーの科目も1回受けさせられます。
私が受けた2回の試験とも、ダミーの科目は言語科目でした。なので、言語科目55分×3回はキツかった。。。
休憩もはさんで、朝8時半から16時20分までの一日がかりの試験です。時間割は様々。
たとえば、私が秋に受けた時は、
1時間目(55分)言語科目(結局これがダミー試験だった)
2時間目(55分)言語科目(40問)
3時間目(55分)数量科目(40問)
(ランチ休憩)
4時間目(55分)言語科目(40問)
5時間目(55分)数量科目(40問)
という感じでした。
○HPの満点は2.0で、日本人が得意なマークシート式
数量的科目は、
- 問題解決能力(XYZ)が12問
- 数量的比較(KVA)が10問
- 数量的推論(NOG)が6問
- 資料比較(DTK)12問
言語的科目も4つのカテゴリーに別れています。なぜか英語の問題が最後に出てくるし、英語もけっこう難しい。
- スウェ語の語彙力(ORD)10問
- スウェ語の読解力(LÄS)10問
- スウェ語の文章穴埋め問題(MEK)10問
- 英語の読解力(ELF)10問
計40問。これが2回。(ダミー科目も含めたら3回。げろげろ)
ストックホルムやヨーテボリといった都市部では、集団カンニングを防ぐために試験内容が会場によって異なります。
2016年秋試験の言語的科目の場合、80問中(40問×2)73問以上正答した人は満点の2.0ポイントが与えられます。反対に、80問中0問から21問正答した人は、0.0ポイントです(゚Д゚) (参考リンク)
なので、全問正解しなくとも満点の2.0は与えられるし、たとえ数問正解したとしても、0.0ポイントの場合もあるってことです。
数量的科目でも同じように正答数に応じてポイントが与えられ、この2科目のポイントを足して2で割った数値が、HPの成績となります。
この試験の平均点は、大体0.8後半から0.9ぐらいです。
このポイント計算方法が私にとってはとても重要です!
どうあがいても言語的科目では不利な私ですが、その分を数量的科目でカバーすることができるのです。
なので極端にいえば、例え言語的科目で0.0だったとしても、数量的科目で2.0をとれれば、(0.0+2.0)÷2で1.0と、平均点以上はとることができるのです。
私が1回目に受けたときは、
言語的科目で0.2、数量的科目で1.2で、(0.2+1.2)÷2=0.7ポイントでした。
参考までに、その時なぜか一緒に受けてくれたパト(スウェ生まれスウェ育ち)は、
言語的科目で満点2.0、数量的科目で1.5で、(2.0+1.5)÷2=1.75ポイントでした。
その数ヶ月後、私が2回目に受けた時は、
言語的科目で0.4、数量的科目で1.6で、(0.4+1.6)÷2=1.0ポイントでした。
たった数ヶ月の間で、0.7から1.0まで伸ばすことができました。
数量的科目は、過去問でたくさんトレーニングしたので1.2から1.6まで伸びたのは自分でも納得できるけれど、言語的科目はそんな数ヶ月で伸びるわけがありません。ようは、カンがさえただけです!(瀑)
この1.0のポイントで100%合格圏内のプログラムは限られてますが、もう浪人(?)するわけにもいかないので、今はこのポイントで絶対入れるプログラムへの進学を考えています。もうプログラム申請は始まってるけど、悩むー決めかねるー。
各プログラムの最低合格ラインの点数はこのサイトから見ることができます。
やはり、ウプサラやストックホルム、ヨーボテリ、ルンドにある有名大学のプログラムは合格最低点が高めです。例えば、上記のような都市部にある大学の看護プログラムの場合、一次合格最低点(HP利用)はどこも1.0以上ですが、スモーランドや北スウェーデンに立地する地方大の看護プログラムでは、0.7から0.9ぐらいです。
○HPを受験するのは現役高校生だけじゃない
- 医学部や法学部、心理学部といった超人気プログラム入学希望の優等生たち。(このプログラムの入学希望者は全員高校の成績が良いので、成績枠以外でHP枠で合格するチャンスをあげるため)
- 高校の成績がイマイチな生徒たち(外国的背景がある若者も含む)
- 大学進学を目指している大人の移民たち(←私)
あとは、毎年満点をとるために趣味で受けているような層も一定数いるらしいです。
私が何を言いたいかというと、このHPは、移民でも、スウェーデン語がネイティブじゃなくても、在住歴が数年でも、私のようなただの凡人でも、トレーニングを積んで、ちょっとしたテクニックがあれば平均点はとれるようになる、ということです。
医学部や法学部に入るための1.8ポイント以上を、スウェーデン在住数年で取得するのはかなり難しいと思うけど、平均点の0.9以上、たぶん1.3ぐらいまでは不可能ではない、と思います。(もちろんそれ以上とるのも不可能ではないけれど、私のレベルでは、、、ということ。)
と、わざわざこれを書く理由は、私は、自分自身で不可能だと決めつけて、この試験を受けることを最初から諦めていたからです。そのために、進学準備期間が他の人より1、2年長くかかったと思います。
私は移住して最初の2年ぐらいは、スウェーデン語で学部進学しようなんて、これっっっっっっっぽっちも考えてもいませんでした。理由は、高校の成績がないからです。
私が学部進学するには、HPを受けるしか道がありません。でも、どうやらこの試験、スウェーデンで生まれ育った人でも良い点をとるのは難しい、、、と噂で聞いていたので、私が受験するなんでおこがましいと思い、試験について調べてもいませんでした。
でも在住2年目だか3年目だかの夏に、スウェーデン在住の日本人の友人たちと再会したとき、友人の一人がこの試験で平均点以上をとりその秋から進学すると聞きました。その時に、この試験を少し身近に感じるようになりました。
彼女はとっても賢い女性だけど、同世代で、スウェーデン在住歴も数年で、日本で生まれ育ったっていう背景は私と一緒。そんな彼女が平均点以上をとれるなら、私にだってそれなりの点をとるのは不可能じゃないかも、、、そこから、少しずつ大学進学を視野に入れるようになりました。だって、せっかく自己負担ゼロで学べるチャンスがあるんですもの。
なにはともあれ、あのときあの場所で彼女に会えてなかったら(小田和正)、私は今よりもっともっとドツボにはまってたと思います。よかったよかった。
もしかしたら、このポストを読んでくださっている方の中にも今週受ける方、または受験を考えてる方がいらっしゃるかもしれません。いや、いないか。
それか、かつての私のように、結婚や同棲でスウェーデンにきたけど、ドリームジョブがなかなか決まらい、大学行きたいけど高校の成績がない、HP受けるなんて無理だ、でも就職もうまくいかない、わぁーーーってなっている人がいたら、このポストがその人の目にとまって、少しでも気持ちが楽になるといいな。
なんて書いてはいるけれど、私も今後どうすればいいかまだわかんない。。。
ちなみに過去問はここからみれます。
その1☆
その2☆
その3☆
すごく勇気の出る記事だね!目標点到達おめでとう!!
返信削除確かに、実際何事も挑戦してみるまでは難しすぎるかも、と思っちゃうよね。意外とやってみたらなんとかなったり。
また更新楽しみにしてるね♪
コメントありがとう!
削除うんうん、そうなんだよね。特に私は「これは無理だろ」って決めつけてしまう先入観をたくさん持っているなぁとよく反省するよ。だから周りによいロールモデルがたくさんいるとすごく励みになる。
最近はいろいろモヤモヤしてて、そんな気持ちを日本語でブログに書くとちょっとすっきりするかも。大学進学シリーズ、もうちょっといろいろ書いてみようかな。また読んでくれたら嬉しいです♩あと、私ももみじちゃんの更新楽しみにしてます♩♩
>ドリームジョブがなかなか決まらい、大学行きたいけど高校の成績がない、HP受けるなんて無理だ、でも就職もうまくいかない、わぁーーー⇒まさに今の自分です><。スウェーデンで大学進学について調べていたところnattanさんの記事を見つけました。Högskoleprovetについて貴重な情報ありがとうございます。とても分かりやすく、nattenさんの頑張りが伝わってくる文章ですね♪自分も諦めないで頑張ろうと思いました。これからもブログ更新楽しみにしております。
返信削除あたたかいコメントありがとうございます!私は色々と覚悟が決まらなくて、ここまでくるのに結構遠回りをしました^^;お互い頑張りましょう\(^▽^)/
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