11 4月 2017

「多文化」で「多民族」なスウェーデン。

少し前のニュースですが、スウェーデンの人口が1000万人を超えました。

つい最近まで950万人って覚えてたんですが、いつの間にか50万も増えてたみたいです。人口減少社会の日本とは対照的。

(参考サイト)

DNのニュースによると、800万人から900万人に達するのには35年を要しましたが、900万人から1000万人に到達するのにはたったの13年しかかからなかったそうです。

急激な人口増加の背景は、もちろん自然増加(出生率の上昇)もあるけれど、例えば、900万人から1000万人の人口増加の内訳をみると、4分の3は社会増加(移民の増加)だそうです。

スウェーデン生まれの人が海外から戻ってきた、っていう場合も少しはこの数字に含まれているかもしれないけど、簡単にいったら「外国のバックグラウンドをもつ」人が、スウェーデンでは急激に増えたということ。もちろん私もその中の一人です。

この急激な人口増加は、都市部のみならず地方都市でも住居不足を引き起こし、私が暮らす小さな街でさえ住宅価格の上昇が著しいです。(住宅バブル崩壊しろ!)

また移民の多くは、SFIでスウェーデン語を勉強することから始めると思うけれど、このSFIに通う学習者の数もとんでも無いことになっています。

2005年には4万ちょっとだった生徒数も、今は10万人越えです!このSFIは公共教育なのでもちろん税金で運営されています。

リンク

私もSFIにお世話になりました。自己負担ゼロでフルタイムで通い、半年で終わらすことができたのは、すごく良い先生とクラスメートに恵まれたからだと思います。

生徒数増加に伴う教員不足も深刻です。このニュースによると、今年だけで1000人のSFI教師が足りないそうです。しかも適切な教育を受けている教員の数は、今でさえ不足しているそうです。

というように、急激な外からの人口増加に社会が追いついていない今。

移民の急激な増加は、社会的・空間的なセグレゲーションを引き起こしたりといろいろな問題が派生してきます。

問題の方が社会に与えるインパクトは大きいし、どうしてもデメリットの方がフォーカスされがちだけど、社会が「多文化」で「多民族」になる際のメリットもあります。

その一つは、「食文化が豊かになる」こと。(大真面目です)

スウェーデンの伝統食は保存食や保存のきく芋類ばっかり!

今年は、パトが伝統的なスウェーデン料理を積極的に体験させてくれるそうで、まず第一弾として、塩漬けされた豚肉とブラウン豆のソースをいただきました。


この塩漬けの豚肉、塩辛いのなんのって!(゚Д゚)
舌と唇がピリピリしました。おどろくことに、これは小学校の給食でもふるまわれるそう。小さな時からこんな塩辛いもの食べてたら、味覚おかしくなっちゃうよ!というか、塩分の取りすぎでは?

また、Falukorvといわれるぶっといソーセージも塩辛い!!


チップスのLantChipの塩味は、Lättsaltade(軽い塩味)とか書かれているけど、すっごい塩味です。

まぁスウェーデンの食文化にケチをつけたらキリがないけれど、ここ数十年で国が多文化になったことで、ピザが食べられるようになったし、安くて美味しいファラフェルが食べられるし、インドカレー屋さんもあるし、寿司屋もアジア料理屋さんも増えたと思います。

ちょっと遅くなった夜に、安くテイクアウトしたいなって思ったら、マクドナルドの代わりにベトナム料理が買えるし、ピザ屋はいつでもオープンしている安心感があります。ここで働いているのは、ほぼ外国のバックグラウンドをもっている人たち。

もちろん日本の外食産業と比べれないけれど、もしこれらのお店がなかったら、、、、って想像したら、スウェーデン人が安くて美味しくて早い飲食店をやれるだろうか、いや、やれない。というか、スウェーデン料理のファーストフードって何?

それに日本からきた私にしてみれば、たくさんのアジア人(たぶんほぼ中国人)が移住してきてくれたおかげで、普通のスーパーでキッコーマンが手に入るし、白菜も買えるし、アジア食材店の品揃えもまずまずです。

また、スウェーデンは、外国の食文化にオープンな人がわりかし多いような気がします。ICAのサイトだったり、料理雑誌ではつねに外国の料理の特集を組んでいる印象です。あと、いろんな料理をフュージョンさせるのが上手な気がする。

タパスと日本(japan)をかけて、japas(ヤパス)メニューを出してたり。
なにかの特集で、Vegetariskt YAKITORI(ベジタリアン向けのYAKITORI)ってかかれてたり。お寿司屋さんで働いていた時は、ヤングでスウィートなスウェーデン人女子たちが、パッションフルーツでマリネしたサーモンを巻き寿司につかったり、バジルソースでマリネした白身魚、レモンソースとあわせたり、チミチュリソースでマリネしたりと、私では考えつかないようなSUSHIメニューを考案してました。

何がいいたいかというと、社会が「多文化」で「多民族」になるといろいろな問題が起こるけど、食文化が豊かになることはメリットだよねっていうことです。





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