前回のコースでは、比較的、若くて健康な患者さんだけが対象でしたが、今回は一般の患者さん。
30代から80代まで、症状も様々な患者さんの健診、診断、治療を行います。
私も先週、さっそく今学期初めての患者さんを受け持ちました。
前回に比べたら、あんまり緊張はしなかった!
事前に全体の流れのイメージをして、要所で必要な表現とかを準備していたからかな?
でもところどころで、「え?」「ん?」って聞き返されて、アシスタント役のペアの子に助けてもらったり、何か言われた時に一回でわからなかったら、患者さんが即ペアの子に話しかけるっていう状況になって、それに軽く落ち込んだり…
次回はもっと、簡単でわかりやすい言い方ができるように心がけたいな。
落ち込む暇があったらそれを改善できるように努力あるのみ!(忘れやすいので太字大文字で)
でも口の中って本当に千差万別だね。
年齢も関係あると思うけど、開口度合いが小さいとすごくやりにくいし、舌が邪魔で邪魔で奥歯が見えない!!!患者さんの舌圧に負けないように、ミラーでプッシュ返ししたけど、なかなか時間がかかりました。
実習室で人形相手に練習したりしてるけど、生身の人間相手だと全くの別物。
やっぱり習うより慣れろ、ですね。
今回私たちが出会う患者さんは、学生クリニックにあえて予約してくれてる人たので、おそらく発展途上である学生に理解があるよね?(一般クリニックの半額ですむっていうのも大きな理由だと思うけど)この機会を大事にして、しっかり「練習」させてもらいたいと思います。中には十何年も学生クリニックに通っている患者さんも結構いるみたい。ありがたいですね〜
地下にある孤独な実習室。学生証で入館できるのでいつでも入れる。 |
そして、先週のとある日、クラスの子と幼稚園に行ってきました。
授業の課題の1つ「子どもから青年に向けての訪問授業」です。
対象の年齢グループは自分たちで選ぶことができたので、私たちは幼稚園児(4、5才)にしました。
他の友達は、喫煙が口腔健康に与える影響を中学生に説明したりしたそう。訪問授業のプレゼンが来週にあるので、クラスの他の子がどんな訪問授業をしたのか聞けるのが楽しみです。
それにしても、5歳の子たちの知識の豊富さに驚いたよ〜
物心つく前から歯医者で健診を受けてるおかげか、「甘いものは歯に悪い、歯磨きは1日2回、甘いものを食べた後は口を水でゆすぐ、歯磨き粉で歯磨きした後は水であまりすすがない、水と牛乳は歯に良い」等々、いろいろお話ししてくれました。
素晴らしいですね(゚Д゚)
もちろん私たちが訪問した幼稚園が、郊外の住宅街で比較的に落ち着いたエリアに立地していたことも関係あったかと思います。親の指導や教育がしっかりしてる、といいますか…
アクティビティとして、ハッピーな歯と悲しい歯を準備。 「お菓子は歯をハッピーにする?歯磨きをしないと歯はどんな気持ちになる?」 |
普段子どもと関わることなんで皆無なので、子どもとの接し方や、ちゃんと話を聞いてくれるか不安だったけど、幼稚園の先生が2人もついてくれて、ちょいちょいアクティブになる子を制止してくれたので助かりました。
いやーいい雰囲気の幼稚園だった!
散々、甘いものは歯に悪いよ〜歯磨き頑張ろうね〜って子どもに話した後に、その日はFettisdagだったのでセムラを食べてお疲れ様会。笑
田舎にあるクラシックなカフェが好き。この日はたくさんのおじいちゃんおばあちゃんがカフェでセムラを食べてました。 |
なんで幼稚園園児を対象にしたかというと、スウェーデンでは、カリエス(虫歯)フリーの子どもの割合は長年上昇し続けていたけれど、近年になって6歳児のカリエスフリーの子の割合が減少傾向にあることを、授業で知ったからです。
6歳になる頃に、奥歯に永久歯が生え始めます。この奥歯、超大事!ちなみに私はこの上下左右の奥歯4本とも治療済み!(威張ることではない)
だから永久歯に生え変わる前である幼稚園時期に、ちゃんと歯に関する知識(日本の業界ではデンタルIQというらしい?)を子ども自身が身につけておくことが大事!
下記のグラフでは、6歳の子(緑のライン)を見れば、2013年では80%弱の子が虫歯ゼロ。
2011年頃に80%に到達してたけど、徐々に現象傾向にあります。
ちなみに、2020年までにカリエスフリーの6歳児の割合を80%に到達させるっていうのが、WHOがヨーロッパに掲げた目標の1つでもあります。(なんとなくスウェーデンって世界機関が掲げたグローバルゴールといった目標をちゃんと達成させるように頑張ってるよね。偉いわ〜)
参考 |
そしてヨンショーピン県ではといと、、、
2017年、がくっと落ちてますねぇ。6歳の子(赤のライン)は、2017年で75%弱の子がカリエスフリー。
2012年頃をピークに、割合が減っているのがわかります。
Föreläsning: Bestämningsfaktorer för karies och gingivit hos barn och ungdomar. Anna Lena Sundell, Odontologiska Institutionen i Jönköping |
カリエスフリーの子の割合が減少傾向にある原因は、いろいろ考えられるけど、やっぱり移民的背景の子が増えた &/orスウェーデンで生まれ育っていない親が増えた=子どもへの予防歯科の知識が浅い、というのが大きな原因の1つだそうです。
ツイッターで繋がってるスウェーデンの歯医者さんも、最近は子どもの虫歯が増えたってよく呟いておられました。
短い期間で移民が急激に増えたスウェーデンでは、セグリゲーションの問題はよく取り上げられるけど、歯科の分野でも格差があるんですね。
興味深かったです!
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