12月13日は、Lucia(ルシア)祭でした。日本ではあまり馴染みのないお祭りですが、こちらではクリスマス並にメジャーなイベントです。
この日も私は普通に学校があったのですが、ルシア祭の由来の文章を読んだり、インターネットを介し、13日の早朝にスウェーデン東部のウプサラという街で行われたコンサートをみんなで聞いたり、夜は街の教会に出かけてみたりしました。
そもそもルシアとは、キリスト教の一人の聖人の名前ですが、なぜお祝いするようになったかは諸説あるそうです。
[その中でも一番有力で簡単な由来話はこちら] ※多少脚色しています。
西 暦300年頃、イタリアのシチリア島にLuciaという大変美しい女性がいました。彼女はその美しさ故、街で一番の金持ちである有力者と結婚するなってい ましたが、ちょうどその頃、彼女の母親が大病にかかりました。ルシアは母親を救おうと街中の医者に頼み込みますが、誰も母親の病気を治す事ができませんで した。そんなある日、ルシアは天使の夢を見ます。夢の中で天使は「私たちがお母さんを救ってあげるわ。そのかわり、生涯独身を貫くこと、そして人々にキリ ストの教えを説くことを誓いなさい。」とルシアに言いました。もちろんルシアは、母親を救うために天使の言う事を聞きます。しかしその頃はキリスト教は禁 じられていた時代。ルシアと結婚するはずだった男は悲しいやら悔しいやら、フラれたことに激昂し、ルシアを火あぶりにしました。そこで彼らは信じられない 光景を目にしたのです。ルシアは神に守られ、炎々と燃え上がる炎の中で傷一つ負わなかったのです。恐れ多した男たちはとうとうルシアを剣で突き刺し、殺害します。その日が西暦304年の12月13日。そして人々は不幸にも殺害されたルシアを忘れないために祭りはじめたそうです。
つまり、12月13日は聖人ルシアの命日だったんですね。
諸説ある由来はおいといて、ルシア祭は子どもが主役のお祭りです。街中や会社、学校などいたるところで白い服に身を包んだ子どもたちが歌を歌いながら練り歩きます。そして各都市の教会ではコンサートが行われます。
私も街で一番大きな教会に行ってきましたが、びっくりするほど人が多かったです。ちなみに、私にとって今回のルシア・コンサートは2回目です。前回、今住んでいる街より3倍くらい大きな街の教会で、それはそれは壮大なルシアコンサートを聞いた事があります。
今回も規模は違えど、とても素敵なコンサートでした〜。やっぱり子どもの歌声はどんなに有名な歌手が歌うより心に響くパワーがあると思います。
Photo*Lena Granefelt/imagebank.sweden.se |
写真の真ん中が主人公ルシアです。余談ですが、私が初めてルシアのスタイルと見たとき、不謹慎にも「八墓村?」と失笑してしまいましたが、そう思ってしまう日本人は多いと信じています。この伝統的なイベントの主人公であるルシアですが、歌が上手な小町娘が選ばれるとか何とか。
偶然学校帰りに遭遇した聖歌隊。もちろん気温はマイナス… |
また、ルシア祭にはサフランパンことLussekatterとGlöggが欠かせません。どちらとも冬期限定で、とくにサフランパンはこのルシアの日のためにあるようなパンなので、ルシア祭を終えたらなかなか手に入りません。
Lussekatter。来年はぜひ手作りに挑戦したいです。 Photo:Helena Wahlman/imagebank.sweden.se |
最後に、私が学校で鑑賞したルシア・コンサートの動画はこちら。
この動画がいつまで見られるかorスウェーデン国内限定なのかはわかりませんが、ぜひ鑑賞してみてください。子どもたちのきれいな歌声も素敵ですが、それ以上にちょうど27分あたりからものすごい面白いことが起こるんです。なんと、厳粛な雰囲気漂う教会でのコンサートの途中、ラッパーが登場して意気揚々とラップを披露するんです。ラッパーが現れた瞬間、私は放送事故かと思うぐらいの衝撃を受けました・・・・。クラスメートも失笑。
多様性を重視するお国柄、おそらく異文化との融合を意識したのではないかと思いますが、あまりにも斬新で度肝を抜かれました。変化を恐れないその姿勢は素晴らしいと思いますが、私はこれは失敗だったと思います。笑
また、このコンサートのルシアは黒人の女の子が務めていますが、実は以前「ルシアはブロンドで白人の女の子しかなれないのか!」と議論が起こったことがあるそうです。(wikiより。)
そのうち男の子のルシアも認められる日が来るかもしれません。
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