17 12月 2012

Lucia(ルシア)。



12月13日は、Lucia(ルシア)祭でした。日本ではあまり馴染みのないお祭りですが、こちらではクリスマス並にメジャーなイベントです。
この日も私は普通に学校があったのですが、ルシア祭の由来の文章を読んだり、インターネットを介し、13日の早朝にスウェーデン東部のウプサラという街で行われたコンサートをみんなで聞いたり、夜は街の教会に出かけてみたりしました。

そもそもルシアとは、キリスト教の一人の聖人の名前ですが、なぜお祝いするようになったかは諸説あるそうです。

[その中でも一番有力で簡単な由来話はこちら] ※多少脚色しています。
西 暦300年頃、イタリアのシチリア島にLuciaという大変美しい女性がいました。彼女はその美しさ故、街で一番の金持ちである有力者と結婚するなってい ましたが、ちょうどその頃、彼女の母親が大病にかかりました。ルシアは母親を救おうと街中の医者に頼み込みますが、誰も母親の病気を治す事ができませんで した。そんなある日、ルシアは天使の夢を見ます。夢の中で天使は「私たちがお母さんを救ってあげるわ。そのかわり、生涯独身を貫くこと、そして人々にキリ ストの教えを説くことを誓いなさい。」とルシアに言いました。もちろんルシアは、母親を救うために天使の言う事を聞きます。しかしその頃はキリスト教は禁 じられていた時代。ルシアと結婚するはずだった男は悲しいやら悔しいやら、フラれたことに激昂し、ルシアを火あぶりにしました。そこで彼らは信じられない 光景を目にしたのです。ルシアは神に守られ、炎々と燃え上がる炎の中で傷一つ負わなかったのです。恐れ多した男たちはとうとうルシアを剣突き刺し、殺害します。その日が西暦304年の12月13日。そして人々は不幸にも殺害されたルシアを忘れないために祭りはじめたそうです。


つまり、12月13日は聖人ルシアの命日だったんですね。

諸説ある由来はおいといて、ルシア祭は子どもが主役のお祭りです。街中や会社、学校などいたるところで白い服に身を包んだ子どもたちが歌を歌いながら練り歩きます。そして各都市の教会ではコンサートが行われます。
私も街で一番大きな教会に行ってきましたが、びっくりするほど人が多かったです。ちなみに、私にとって今回のルシア・コンサートは2回目です。前回、今住んでいる街より3倍くらい大きな街の教会で、それはそれは壮大なルシアコンサートを聞いた事があります。

今回も規模は違えど、とても素敵なコンサートでした〜。やっぱり子どもの歌声はどんなに有名な歌手が歌うより心に響くパワーがあると思います。

Photo*Lena Granefelt/imagebank.sweden.se

写真の真ん中が主人公ルシアです。余談ですが、私が初めてルシアのスタイルと見たとき、不謹慎にも「八墓村?」と失笑してしまいましたが、そう思ってしまう日本人は多いと信じいます。この伝統的なイベントの主人公であるルシアですが、歌が上手な小町娘が選ばれるとか何とか。


偶然学校帰りに遭遇した聖歌隊。もちろん気温はマイナス…

また、ルシア祭にはサフランパンことLussekatterとGlöggが欠かせません。どちらとも冬期限定で、とくにサフランパンはこのルシアの日のためにあるようなパンなので、ルシア祭を終えたらなかなか手に入りません。

Lussekatter。来年はぜひ手作りに挑戦したいです。
Photo:Helena Wahlman/imagebank.sweden.se


最後に、私が学校で鑑賞したルシア・コンサートの動画はこちら。

この動画がいつまで見られるかorスウェーデン国内限定なのかはわかりませんが、ぜひ鑑賞してみてください。子どもたちのきれいな歌声も素敵ですが、それ以上にちょうど27分あたりからものすごい面白いことが起こるんです。なんと、厳粛な雰囲気漂う教会でのコンサートの途中、ラッパーが登場して意気揚々とラップを披露するんです。ラッパーが現れた瞬間、私は放送事故かと思うぐらいの衝撃を受けました・・・・。クラスメートも失笑。
多様性を重視するお国柄、おそらく異文化との融合を意識したのではないかと思いますが、あまりにも斬新で度肝を抜かれました。変化を恐れないその姿勢は素晴らしいと思いますが、私はこれは失敗だったと思います。笑

また、このコンサートのルシアは黒人の女の子が務めていますが、実は以前「ルシアはブロンドで白人の女の子しかなれないのか!」と議論が起こったことがあるそうです。(wikiより。)

そのうち男の子のルシアも認められる日が来るかもしれません。


11 12月 2012

GLÖGGを飲む。

いきなりで恐縮ですが、私はお酒を飲む事が好きです
晩酌を一緒に出来ない人=お酒に弱い人とは結婚できないと思っているぐらいです

そしてまだまだ何も初めていないけど、もっと日本酒や焼酎をはじめ、世界中のお酒に詳しくなりたいな〜と思っています。スウェーデンにも美味しいお酒はたくさんありますが、この時期はなんといってもGlögg。クリスマスの時期に飲むホットワインですが、これを飲むと本当に幸せな気分になります(単純)
そして毎年限定のフレーバーを出すBLOSSAのGlöggですが、今年はなんと日本からインスピレーションをうけたという柚子と生姜味。この限定ボトルの下に書いてある英数字ですが、これはこのフレーバーに関係する地域(なのか生産地なのかは不明)の緯度と経度を示しているそうで…

柚子と生姜・・・・・・もしや?と思って調べたら、なんと高知県でした。 
 ボトルのデザインも何となく日本っぽい。
 詳しい説明はBLOSSAのサイトへ。


高知もお酒で有名ですが、私の一押しはダバダ火振り。高知の無手無冠という会社が出している栗焼酎ですが、大学時代のゼミの先生にお勧めしてもらってから、ずっと一番のお気に入りです。実はここに就職できないかと思案していたぐらい。

地方出身だからか、なぜか「地」のものに惹かれます。地産地消とか大好き。


と、glöggから大きく話がそれましたが、このホットワインを家で飲むのもいいですが、やっぱり屋外のクリスマスマーケットでフーフーいいながら飲むのが好きです。さながら、神社で甘酒をたしなむ感じ?
そしてこのショウガ味のglöggですが、問題の味は・・・甘かったです。あまりショウガの味も柚子の味もしませんでした。温め過ぎたのかもしれません。

このglöggに合うのは、やっぱりジンジャークッキー(pepparkaka)。
このglögg以外に他の種類のglöggも購入したので、早く飲みたいです〜   

学校のこと。

今日はスウェーデン語学校のSFI(Svenskundervisning för Invandrare)について。

SFIは移民のための語学学校です。スウェーデンの国民番号を持っている人なら、誰でも無料で通う事ができます。各コミューンが管轄しているので、居住地域によってシステム等多少違いはあると思いますが、大体は似たような感じだと思います。

まず、国民番号が届いたら申請書をコミューンに送り、ひたすら返事が来るのを待ちます。
私が申請したのは9月の初め、そして学校が始まったのは10月の終わりだったので、約2ヶ月待ちました。

※しかし、実は10月初頭に最初の手紙が届き、それに指定されていたクラスへ行ってみると、それは大学生向けの週1回のクラス。これは私の住所が大学生が多く住む地域だったため、コミューンのSFI担当者が私を大学生だと勘違いし、この学校へ手配したそうです。この勘違いが無かったら、もう1ヶ月早く始まっていたのではないかと疑っています…
ま、今となってはどうでもいいんですが。

そして、最初の三週間はスウェーデン語の初級中の初級と社会の授業を受けました。
毎日8時15分から12時まで。夏休みに怠けまくっていた私にとって、毎日6時に起きるのが一番辛かった〜
この3週間で習った内容は、スウェーデン語のアルファベットから始まり、自己紹介、基本的な動詞、身の回りにある物の名前(食べ物や生活用品)、時間、数字等等。

そして社会のコースでは、ここで生活するために必要な情報をたくさん教えてもらいました。

内容は、

・病院のシステム(病院を利用する際の流れや電話番号、かかる費用等)
・病院制度の違い(子ども、妊婦、女性専用、歯医者等)
・保険制度(健康保険や家財保険、自動車保険等)
・女性の権利について(DV被害の対処法。電話番号等)※男性用のシェルターもあるらしいw
・自動車免許の取得方法と簡単な道路上の法律(歩行者優先やチャイルドシートの義務等)
・ スウェーデンの教育制度について
・SFIのボーナスについて

何がすごいって、この社会の授業を担当したおじちゃん。クルドからの移民だそうですが、スウェーデン語、英語、トルコ語、アラビア語、ペルシア語を使い分けながら一人で授業するんです。
一つの内容を5カ国語で説明するので、ものすごい時間がかかるし、途中眠たくなったりしたけど、よくこんなにスムーズに言語が切り替えられるな〜と圧巻でした。

私のように身近にスウェーデン人がいるなら、自分が病気になったとしてもその人達を頼ることも出来ますが、難民としてやって来た人や、一家で移住した人などにとっては、こういう情報は生活するうえでとても大切な事です。
特に、保険制度など存在していないような国から来た人もいるわけで、そういった人たちがスウェーデンで生活するためには、彼らを守るためにも、そして万が一彼らが事故を起こした際には被害者を守るためにも、事前にこういった形で情報を与えることはとても大切な事のように思います。現に、保険制度や自動車免許取得法についての授業の時は、いつもは後ろで静かに授業を聞いている(か聞いていないかわからないけど)アラビア語圏からの男性陣が、ものすっごい勢いで質問していました。


ここでの3週間は、スウェーデン語学校というより、この次の学校へ手配するための準備期間というような意味合いでした。そのため、週に何回かは自習時間があり、先生が机間巡視し、一人で勉強する事になれているか、と生徒の学習慣れをチェックしていました。
そして、スウェーデン語教員と進路担当者との面接を生徒全員が受けます。このインタビューでは、自分の母国での教育レベルや職歴、今後の希望する進路(スウェーデン語の勉強を続けたいか、先に仕事を見つけたいか)等を聞かれました。

個人の学習習慣やインタビュー内容、そして最後に受けた試験結果をもとにして、コミューンの担当者が各生徒に適した次の学校を決めます。40人程のクラスメートは、主に4つの学校に分けられました。
ざっくりわけると、

1)一番ペースの早い学校(C、Dコース)
2)普通のペースの学校(B、C、Dコース)
3)スローペースの学校(A、Bコースかな?)
4)就職に特化したコース?

(※最後の(4)の学校はよくわからず。ここに進んだ生徒は、オーストラリア人の26歳の男性とスウェーデンに3年ぐらい住んでるルーマニア人のおばさん、あとはオーストリアの少年。ここの分類基準が謎。

(1)と(2)の学校の分類基準はよくわからないですが、私は入りたかった(1)の学校へ何とか行けることになったので良かったです。インタビューでもひたすら「早くSFIを終わらせたい!」と必死で訴え、最後の試験も張り切って書きまくりました。
ちなみに試験では、ライティング、リスニング、リーディングがあり、スピーキングのテストが無かったのです。私は典型的日本人といいますか、書けても読めても聞けない・話せない・・・きっと先生たちは私のテストの結果と実際の会話力のギャップに驚いていることでしょう。

なので今は「音」を意識して勉強中です。この年齢にして、発音の大切さを痛感しています。

学校にあるトイレ。ムスリムのために足専用の洗い場があるのに驚き、思わず激写。