08 2月 2016

ゆとり?詰め込み?

今日は学校の話。(そうです、私もまだ学生、じゃなくて生徒してるんです)

去年の11月に無事SAS3を終了しましたが、大学申請の際に、必須科目の一つである社会も取得しておこうと、引き続きコンブックスで社会科目を履修することにしました。

(私は日本で取得した公民の単位がスウェーデンでの社会科に相当すると認められたので、再履修する必要はなかったのですが、今は時間もあるし、スウェ語に触れる時間を保つ事、スウェ人とスウェ語での授業に慣れる事、スウェと日本じゃ公民科の内容も違うだろうから興味本位、という理由で再履修する事にしました)

社会科目は30%、あとは興味があった宗教を15%で履修し始めた11月。

あと1ヶ月で二つのコースが終了するわけですが、結果、履修して本当に良かったと思います。スウェ語の授業が終わって、進学待ちか就職待ちで時間がある人はぜひ履修してみてください。

今回は社会科1bの話。

おそらく高校3年で学ぶ内容なんでしょうか。日本の公民をとっていたのは遠い遠い過去なので、日本の授業内容はあんまり覚えていないけれど、やっぱりスウェと日本の高校教育(コンブックスは一応成人教育のくくりだけれど)は大きく違うな、と感じたのでした。

まず、遠い過去の記憶を振り返ると、高3の公民は選択科目で、なぜか選択クラスには女子生徒が4人ぐらいしかいなかったような。同じクラスの女子達はほぼ日本史か世界史を選択していたように思います。(あと余談だけど、公民の先生(女性)は、授業中に儚い女子を指名するのは可哀想だからと、男子しか指名回答させない先生でした。謎)

授業内容は1学期からもちろんセンター対策。先生があらかじめ準備していたプリントの空欄を埋めるような授業スタイルだったような気がします。とりあえず記憶記憶!莫大な量の法律や事件、大統領、政策を覚えたような気がします。

その先生は、社会人を経て教員になった先生なので実際の談合現場だったり、会社経営の内側の話をちょびっとしてくれたのは面白かったですが、当時はやる事覚える事いっぱいで、実生活に結びつけるような内容は少なかったと思います。また、一番大事じゃなかろうかと思える、選挙制度についても、キーワードを覚えただけで、投票制度だったり、選挙に行く意義とかなんとかはサラーっとやっただけだったような気がします。高校3年生で、日本の選挙制度を下調べ無しで説明できる人はどれだけいるのでしょうか。(え?私がバカだっただけ?)

今受けているスウェーデンの社会科は、最初に言えるのは、各先生によってやり方は大きく異なるだろうということ。センター試験対策みたいなことをする必要はないので、覚えなきゃいけない用語もやらなきゃいけない範囲もあんまり多くありません。

やってきた内容は、

民主主義とは、EUの仕組み、国会、選挙制度、各政党、国家経済、個人経済、国際情勢など。

目新しい内容はなかったけれど、スウェーデン語の勉強にもなったし、クラスメートとディスカッションするスタイルは、度胸をつけるトレーニングにもなりました。

試験もどうなるかなーと思ったけれど、一問一答のスタイルではなく、例えばインフレとデフレのメリット・デメリットだったり、スウェの選挙制度の説明、またそのメリットでメリット、市場の原理を需要供給曲線を用いて説明しろ、みたいなすべて記述問題。

嬉しかったのは、ある試験で、SAS1,2,3と一回も取れなかったAの判定をもらえた事。語学的にはまだまだまだまだだろうけど、頑張りを評価してもらえるのはやっぱり嬉しいし、励みにもなります。

先生が授業の始めに言っていたのは「ニュースを理解できるようになることが目的」。

その言葉通りに、授業内容は過去というより、現社会で起こっている問題や政策を中心的に取り上げれていました。

例えば経済の項目では、最近日本もゼロ金利政策を始めたらしいけれど、スウェーデンも政策金利であるレポ金利を−0.35%で行っていること、それの目的、それの結果などはとっても勉強になりました。金利がゼロになるなんて全く知らなかったし!これが為替にも影響を与えているのも知らなかった!経済はなんだか難しいので、ニュースも経済面は毛嫌いしていたけれど、これをきっかけにちょっとニュースも読めるようになってきました。スウェーデン国銀行でレポ金利について議論されるのは、次回は2月11日!マイナス金利が据え置きなのかどうか注目です。

また、先生自身がコミューンで政治職も兼任している方なので、12月には市議会にも見学に行きました。市議会議員の皆さん、老若男女、結構ラフなスタイルでびっくり。
日本で政治家っていったらなんだか「先生!」って感じで偉ぶってるイメージだけど、政治家ってようは国民の代表ってなだけで、私たちの意見を反映してくれる存在。
イギリスでもそうだけど、日本の小選挙区制度は、政党より政治家の個人を選ぶ事になるので、それが汚職だったり、政治家の世襲制に繋がってるんだなーと考えさせられました。

とりあえず、ものすごいプラクティカルな授業内容でした。

それに最終試験は、レポート。自分で「国際情勢」の枠組みから、好きな課題を選んで、問題を提起し、正しいdispositionでレポートを書く、と。私はEU内における漁業政策について書く予定です。(今までの私なら間違いなく難民問題を取り上げてただろうけど、最近ちょっとゴールの見えない問題に疲れ気味。)

こういうプラクティカルな授業は実社会で役に立つのでとても良いと思うし、日本の公民で習った基礎知識もそれなりには役に立っている(と思いたい)ので、一概にどちらがよいと言う事はできないけれど、両国での社会科の違いを体験する事ができて良かったです。言語の点でも、発言はやっぱり難しいけど、授業内容を理解することは問題無いように感じれたのは大きな成果。それより、授業の端々で出てくる、過去の政治家スキャンダルだったり、こう、知ってて当たり前な事件とかは知らない事が多くて大変でした。


社会科は、まー新しい知識は少なかったので、あまり大変だったわけではないけれど、問題は宗教!!!!!!もうこれが15%の授業なのに、めちゃくちゃ大変でした。宗教科の話もまた書けたらいいな。

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